怒涛の3日間!「未来を変える」3日間のプログラム・体験!〜熱海リノベーションスクールに参加しました

リノベーションスクールとは?

怒涛の3日間のプログラム

対象物件のある伊豆山エリア

対象物件のある伊豆山・来谷(きだに)地区

最難関の課題(ミッション・インポシブル)に挑戦!

初対面・年齢も考え方もバラバラなチーム

喧喧諤諤(けんけんがくがく)の議論/具体↔️抽象を行ったり来たり

まとまらない・収束しない議論〜「これは徹夜か?」

奇跡の瞬間(奇跡①鶏から卵、奇跡②偶然のコラボ写真、奇跡③観客が涙した)

リノスク」という学び・体感

この学び・経験値を、我が街・横浜の街づくりへ

「リノスク」を横浜でも!

 

 

⚫︎リノベーションスクールとは?

リノベーションスクールとは、実在する空き家や空き店舗などの遊休不動産を題材に、その物件を活用した事業プランを、7〜8名程度のメンバーとユニットマスター(建築等の専門家・グループの指南役)で、3日間かけて練り上げる実践型ワークショップです。2011年北九州で初開催後、全国に広がり、街の活性化の起爆剤になっています。

 

 

⚫︎怒涛の3日間のプログラム

第5回・熱海リノベーションスクール(以後、リノスク)に参加しました。この10数年間、熱海の街の再生に取り組み・カンブリア宮殿(TV東京)にも取り上げられた「市来広一郎」さんが中心となって主催され、2014年(初回)から今回で第5回目になります。

対象物件とエリアの調査やヒアリング、話し合いを重ねながら、8分間のプレゼンテーション資料(パワポ)を都度作成し、改善提案のプレゼンを途中3回(ユニットマスターの評価・コメントあり)、物件所有者(オーナー)への最終プレゼン1回の合計4回行うというプログラムです。

初対面のメンバーがチームを組んで、愛称で呼び合い、私はカズと呼ばれていました。が、お互い事の理解や、対象物件・対象エリア(伊豆山地区)の理解もそこそこのところで、いきなり高いレベルのアウトプット(プレゼン)を求められる、「ハイスピード&ハイプレッシャー」の怒涛のプログラムになっていました。この3日間のプログラムに参加して、まるで「ジェットコースター」に乗っているかのような、体験(体感)をしました。

 

 

DAY0 夜の街歩き、顔合わせ、二次会(任意参加)
DAY1

1月14日(日)

9:30    開校式・ガイダンス

10:30   対象案件見学・まち歩き・ユニットワーク

15:30   プレゼン1

16:30   プレゼン振り返り

18:00   オープニングパーティー

DAY2

1月27日(土)

9:00    プレゼン2

10:10   プレゼン振り返り

10:40   ユニットワーク「事業計画を組み立てる」

16:00   プレゼン3

17:00   プレゼン振り返り

17:15   ライブアクト

18:00   ユニットワーク「プレゼンテーションを練る」

DAY3

1月28日(日)

9:00   ユニットワーク(資料提出・〆切13:30)

14:00  最終プレゼンテーション

15:30  クロージングアクト

16:00  閉校式、ユニットでの振り返り

17:00  クロージングパーティー

 

対象物件のある伊豆山エリア

 私も今回のリノスクに参加するまで熱海の「伊豆山」というエリアが、どういうところか、全く知りませんでした。

伊豆山には「伊豆」の語源となった「伊豆山神社」が1,300年以上前から存在し、その昔は修験者が修行に集まった場所です。源頼朝と北条政子がこの地で結ばれて(縁結びの神様)、源氏再興と天下統一を成し遂げました(神様は龍神様です)。豊臣秀吉の小田原攻めで反対した僧侶と共に焼き討ちにあいました。が、徳川家康が再建した関東八州総鎮護のいわれ高き神社⛩️です。

日本三大古湯・日本唯一の横穴式源泉「走り湯」(海近く)から、この神社まで続く837段の階段・参道を登り切ると、素晴らしい眺望が望めます。歴史からも、素晴らしい眺望からも、この地が「究極のパワースポット」である事を実感します。

 

 

 

 

⚫︎対象物件のある伊豆山・来谷(きだに)地区

伊豆山神社・参道のすぐ隣の尾根が、「来谷(きだに)地区」です。来谷地区では2021年7月の豪雨で土石流災害が発生し、28名(うち1名は災害関連死)が亡くなりました。この地区にある中島製麺さんの4階建の建物が、我々ユニットが取り組んだ物件です。土砂災害で、3階・4階の住居部分は被害をまのがれました。が、製麺工場を予定していた1階・2階部分は被害うけ、中の土は取り除きましたが、使うことが出来ずに放置され、「時計が止まったまま」です。

 

 

⚫︎最難関の課題(ミッション・インポシブル)に挑戦!

豪雨災害で被災した来谷地区には200名の住民が住んでいました。が、災害の爪痕が残る同地区には、2年半経った今も、わずか50名(25%)しか戻ってきていません。残り150名(75%)は、安全面や様々な課題から、戻る事をためらい、昔からのコミュニティは崩壊したままです。リノスク主催者の市来さんからも「今回の最難関課題です」と言われました。

オーナーの中島さんへのヒアリンでは「出来る事ならば、災害の1日前に戻りたい」という非常に重たい言葉を頂きました。我々ユニット(伊豆山チーム)の議論は、その言葉と向き合うところからスタートしました。

 

 

⚫︎初対面・年齢も考え方もバラバラなチーム

最難関の課題に挑んだ今回のチームメンバーは、20代前半から60代半ばまでの熱海市内外在住(市内4名、市外1名、県外2名)の男女7名と、大学生(建築学科)のサポートメンバー2名、そして伴走者のユニットマスターの2名(原っぱ大学・学長:塚越さん、ランドスケープデザイナー:三島さん)です。

年齢も性別もバックグランドも住んでいる場所もバラバラの初対面の多様なメンバーで、3日間で事業プランを考えるという非常にハードなお題に挑戦する事になりました。

 

 

 

⚫︎喧喧諤諤(けんけんがくがく)の議論/具体↔️抽象を行ったり来たり

初対面のメンバーが、お互いや対象物件・エリアの理解もそこそこのところで、喧喧諤諤の議論をして、プレゼンの形にまとめる。という事は、何と難しい事でしょうか?

チームの議論が始まると、同じ日本語を使っているとは思えないぐらい、話が噛み合わない。「金銭的な収支」や「来客導線」など、様々な具体的(案)な話をする人がいる。一方で、風景や景色、音、匂い、実現したい雰囲気など抽象的な話(イメージ)を先行する人もいて。「抽象的な話」↔︎「具体的な話」を、行ったり来たり。様々な感情の「揺らぎ」を体験して、まとまらない議論をグルグルと何回もしながらも、プレゼンタイム(3回)はあっという間にやってきて、都度都度、なんとか強引にアウトプットを捻り出していました。

DAY1とDAY2の間が約2週間ありました。ので、その間、メンバーで(1回あたり約3時間)ZOOM会議×3回行いました。また、各々がパワポのプレゼン資料を作ったり、個人的には、自主的に熱海・伊豆山への現地調査(日帰り)も行いました。

遠隔での議論はzoomとFacebookグループで行いました。Facebook グループでのメッセージのやりとりは、かなりの長文(大作)も含めて、数えたら391回。初対面のメンバーが、zoomとメッセージで議論を交わし、対象物件やエリア、そして、お互いの理解を深める事に繋がりました。

 

 

⚫︎まとまらない・収束しない議論〜「これは徹夜か?」

最終プレゼン前日の夜のユニットワーク。抽象↔︎具体を何回も行き来する、まとまらない・収束しない・グルグル廻る議論を何周もして、「これは徹夜か?」「最終プレゼンはもう無理か?」という思考停止の時間を体験しました。

そんな中で、被災した来谷地区を、1つの庭に見立てて、各々のやりたい事を、その庭の中に入れて、全てを実現する「雨後の庭」というプロジェクトのコンセプが決まりました。被災した「雨後の庭」(=来谷地区)に、各々がやりたい「ワクワクするPJ」が、「雨後のタケノコ」のように、ニョキニョキと沢山産まれる(=生えて来る)というイメージのコンセプトです。

そして、三島さんが教えてくれた広島県にある「ミナガルデン」(=みんなのガーデン)から、旧中島製麺所を「雨後の庭」を実現する拠点(=秘密基地)にする、という事もあっという間に決まりました。スタート時は誰もが実現が難しいと思っていた、ぶしさんの「ニワトリを飼いたい」という案も見事に「雨後の庭」のコンセプトにおさまったのです。

 

 

 

⚫︎奇跡の瞬間(奇跡①鶏から卵、奇跡②偶然のコラボ写真、奇跡③観客が涙した)

すれ違いの時間を含めて、長時間の議論を経て、固まった「雨後の庭」のプレゼン。このプレゼンを産み出すのに「3つの偶然」が発生し、それを体感。まさに「奇跡」の瞬間を感じたのです。

奇跡① 「鶏から卵」

まとまらない議論で「もうこれは徹夜か?」という思考停止の時間を経験した直後。「ミナガルデン」という言葉から、一気(一瞬で)にコンセプトやイメージ、ビジョン、具体的プロジェクトの内容が決まり、最終案があっという間に決まった。まさに、ぶしさんがこだわっていた「鶏」が、最終案を産み落とした瞬間を体験した!

奇跡② 「奇跡のコラボ写真」

最終プレゼンの1時間前に、プレゼン用にみんなで撮った写真。今回残念ながら風邪で最終プレゼンに参加できなかった「よしかちゃん」と、我々のポーズが、偶然一致。奇跡のコラボ写真となりました。

奇跡③ 「観客が涙した」

涙を誘うプレゼンを作ったわけではありません。が、「プレゼンを聞いて泣いた」というフィードバックを複数の人から頂きました。プレゼンのどこがそうなったのか?分かりませんが、チームの思いが、観客にも伝わった瞬間です

 

 

 

⚫︎リノスク」という学び・体感

3日間のリノスクの体験・体感。大変貴重な経験となりました。上手く言語化できない部分があります。が、「ハンマーで頭をガツンと殴られた」ような強烈な気づきが。いくつもありました。(以下記載)

・取り組み(=街づくり)を「自分事化」する事が重要です。私的には、「お前は自分の金(100万円)投資するつもりはあるのか?」と迫られたところが、「スイッチ」が入った瞬間です。スイッチON後の考え方や行動が劇的に変わりました。

・知らない街でも、調べれば調べる程その街の事が好きになり、その街を「何とかしたい」と思うようになる(=街の魅力探検や、魅力の見える化・Map化などのワークは、非常に有効である)

・プロジェクトは具体的な話が重要である。と思っていた私ですが、見てみたい「景色」「イメージ」「気分」「匂い」「音」「聞こえて来る会話」など。抽象的なイメージの部分の理解や合意が非常に重要である。具体と抽象では、まずは「抽象」から、という手法が非常に有効である。抽象的なイメージ=ビジョンと言ってもいいのかもしれません

・抽象的なイメージやビジョンを言語化する事は難しい。が、絵や写真として示せば、共通理解が進めやすい。スタートアップ業界で言うところの(目指すべき)「ワンピクチャー(=ビジョン)」でしょうか?

・ビジョンを共有すれば、具体的なところで揉めない。逆に具体的な議論から入ると、話が拡散し、散らかって、全くまとまらない(←最初はこれでした)

・人との繋がり「縁」が、新たな世界を創造する!

 

 

⚫︎この学び・経験値を、我が街・横浜の街づくりへ

熱海の街はこの10年間で、「何の魅力もない、寂しい街」から、「若者や移住者が訪れる元気な街」に変貌しました。その立役者である「市来広一郎」さん主催の熱海のリノスクに参加して、「どうしてそれが出来たのか?」全てではありませんが、少し見えた気がします。

我が街・横浜は「魅力があって素晴らしい街」であると思います。が、現在の姿に安住して挑戦がなく、潜在的な価値(魅力)を生かしきれていないと、常々感じています。これからの10年間で、熱海やその他の街で実現した「民間主導の街づくり」を、横浜でも起こしていく必要があります。

 

 

⚫︎「リノスク」を横浜でも!

実は、2013年開催の@北九州・リノベーションスクールに、書類選考で落ちて、でもどうしても参加したくて、「聴講」という形で参加しました。あれから10年。「横浜でもリノベーションスクールを」と言う話がその当時からありました。が、色々な理由で、横浜では実現していません。

「選ばれる街・横浜」であり続ける為に、横浜の目指すビジョンを「妄想」して。その絵を実現する為に、これからの10年を見据えて「リノスク・横浜」開催という取り組みにも挑んでいきます!!!!!