自治体DX(デジタル・トランスフォーメーション) 〜0→1に成功した会津若松市の事例

自治体DX(デジタル・トランスフォーメーション)の具体的事例の1つが福島県「会津若松市」です。横浜市にもフューチャーセンターがある「アクセンチュア」が、震災復興の目的で出先をつくり、約12万人の地方都市ながら、自治体DXの実証から実装に成功しています。

 

 

  • 会津若松市の具体的事例

 

例えば、

○「会津若松+」(あいづわかまつ・プラス)という住民ポータルサイトを立ち上げ、アクセスする住民の個人個人によって、違う情報が届けられる仕組みになっています。(いわゆる、市政情報のパーソナル化・最適化。例えば保育所の情報や防災情報は住む場所によって欲しい情報が違うためです。

○「マイハザード」自分がどこにいても、その地点からの避難誘導やハザードを伝えるサービス(開発中)

○DDMO(デジタルDMO)の取組みにより、デジタルによる広域観光(PRやサービス改善など)に取組み、訪日外国人3〜4倍の増加に成功している。

○PHR(パーソナル・ヘルス・データ)をオプトイン(個人医療データを「同意」によって利用を許可する代わりに、様々な医療サービスを受ける方法)利用する事により、デジタルヘルスの新産業やベンチャー企業がたちあがっています。

○「電子母子手帳」スマートフォンで使える電子母子手帳アプリ。

市役所から検診や予防接種のデータが母子手帳アプリに送信される。行政の縦割りによるデータ利用の弊害を本人にデータを返し集約する、という形で解決した(例えば検診データでいうと、乳幼児は健康福祉部、就学児は教育委員会など、市役所では同時にデータを扱う事ができない。)

○会津若松市のスマートシティの拠点となるICTオフィス「AiCT」(アイクト)。2019年4月オープン。ICT関連企業やベンチャー企業など、大小様々な企業が入所。コンピューターの専門大学「会津大学」の優秀な卒業生の県外流出を防ぐことに繋がっている。

その他にも、農業やものづくりにもデータ変革が適用されており、IターンやUターンが起こるまちになっています。

 

 

  • R1・1定・本会議・ 予算関連質問

 

Q(大岩):自治体DXの0→1を行った「会津若松市」の事例に学び、その変革をわが町横浜でも起こすことが必要です。また、私はそれが可能であると考えています。この点について、市長の見解を伺います。

 

A(市長):本市でも、I・TOP横浜で、IoT等を通じて快適な暮らしを実現するための未来の家プロジェクトを進めております。また、地域医療・福祉の分野では、ICTを活用した関係機関の連携ネットワークの構築など、様々な取組を進めています。今後も公民連携など、本市ならではの強みを生かし、今後の皆様のよりよい暮らしの実現に資する取組の創出に、引き続き取り組んでまいります。

 

 

 

  • まとめ

 

会津若松市は「モビリティ、フィンテック、教育、医療、エネルギー、観光、農業、ものづくり」の8つの領域について、AIやIoT、ICTなどの先端技術を取り入れて、「データ」を基盤にした横断した社会基盤づくりを目指す「スマートシティ」プロジェクトを進めています。実証実験から実装への0→1に成功した会津若松市のスマートシティの取組。1→10、1→100として取り入れ、横浜でも同様の取組を進めていくべきです。規模の大きな横浜で展開するのは、簡単な話ではありません。がしかし、会津若松市に出来た事は、横浜市にも必ず出来ると、考えています。横浜にはその条件が揃っています!

 

2019年4月にオープンした会津若松市の「AiCT」(アイクト)。建物内にオープンスペースがり、ICT企業の集積や、交流、イノベーションの拠点(Hub)となっている。