【視察報告】精神障害者の訪問支援(アウトリーチ)事業

視察場所
生活支援施設 萌木(三浦海岸駅前)
福井記念病院(神奈川県三浦市)

日時
2013年8月8日

<アウトリーチ事業とは?>

精神的不調を抱える人の家を精神科チームが訪れ、外来治療につなげ、精神疾患の悪化や自殺を防ぐ事を目的とした事業。実施施設は、精神科医、看護師、精神保健福祉士、作業療法士、心理士らで『アウトリーチチーム』を組織し、このチームが保健所などから情報を得て、必要と判断した人の家を訪問。24時間体制で緊急時にも対応します。

厚生労働省のモデル事業として、2011年度に7億円の予算で始まり、青森県、千葉県、京都府など24府県の37施設が参加しています。

 


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<福井記念病院の状況>
精神保健福祉士よりヒアリング

・  H23年度から、国の予算(26MM、10/10)で事業をスタート

・  補助金26MMは、病床数削減(498床→468床)がセットとなっており、H27年度末までに、▲30床を削減しなければならない。

・  常勤3名+非常勤で対応(予算はほぼ人件費に支出。持ち出しもあり)

・  対象地域は、三浦市・横須賀市・逗子市・葉山市・鎌倉市

・  13ケースに対応していたが、3ケースは終了し、現在10ケース

・  県からは年間総数で、1,100回訪問を要請されている。

・  原則24時間365日の支援体制だが、今のところ夜間出勤はない。

・  支援期間は6ヶ月を目安としている。(期間延長や引き際が大きな課題)

 

(所感、今後の課題)

・  事業の主旨はすばらしく、サービスを受ける側も、とても丁寧で人間味のある対応が期待できる。しかし、その反面、現状の予算・人員で対応可能なのは13ケース程度。加えて、国からの補助金がなくなった場合、独立採算でのアウトリーチ事業の運営は、困難が予想される。又、補助金の条件である病床数削減は、事業者にとって、非常にハードルが高い。

・  まずは、精神障害の現場での課題の抽出、その課題別の対応策を整理し、関係者と情報共有をする事が必要である。

・  その上で、支援センターや、保健所(緊急性高いケース)などの既存施設のサービスを拡充する「横浜型」の手法について議論をしていきたい。

・  又、重度精神障害者の継続支援プログラムである、アメリカ型の包括型地域支援プログラム(ACT)については、追加調査をしたい。

 

以上

横浜市会議員
大岩真善和