すべては子どもたちの未来のために!〜横浜市いじめ防止基本方針の改定・重大事態について

■  いじめ防止基本方針の改定について

5月31日に所属する「こども青少年・教育委員会」の議案審査が行われました。教育委員会では、「横浜市いじめ防止基本方針」の改定原案が示され、内容が報告されました。

 

 

■  重大事態について

大津市いじめ自殺事件を受け、平成25年に「いじめ防止推進法」が成立。「重大事態」と認定した場合には、専門家ら第三者による調査組織を市が設置し、対応する制度となりました。しかし、横浜市に自主避難した生徒のいじめ問題では、法に則った調査を開始するまでに、学校・教育委員会が適切な対応をとらないまま約1年7ヶ月もの期間が経過し、生徒と関係者を傷つけ、大変大きな問題となりました。「いじめ重大事態に関する再発防止検討委員会報告書」や、常任委員会での議論等を踏まえて、「横浜市いじめ防止基本方針」を本年9月に改定する事になりました。

 

重大事態(いずれかに該当する場合)

●  いじめにより生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがある

●  いじめにより相当の期間(年間30日を目安)学校を欠席することを余儀なくされている

●  児童生徒や保護者から、いじめにより重大な被害が生じたという申立がある

 

生命、心身又は財産に重大な被害:例示

◯児童生徒が自殺を企図した場合

◯身体に重大な傷害を負った場合

◯金品等に重大な被害を被った場合

◯精神性の疾患を発症した場合

 

 

■  課題

重大事態の調査は、事実関係が確定した段階で行うのではなく、「疑い」が生じた段階で、速やかに開始しなければならない、と定められています。しかし、現実の運用はそうなっていないケースがあり、この点の改革・改善が重要です。ちなみに、横浜市の重大事態認定件数「3件」という数字ですが、実態に即した数字であるかは検証が必要です。

 

 

認定件数

学校数

横浜市

3件

506校

名古屋市

41件

412校

 

 

 

■  学校生活あんしんダイヤルの設置

「いじめ重大事態に関する再発防止検討委員会報告書」を踏まえ、新たな学校外の相談窓口として、スクールソーシャルワーカー(社会福祉の専門職)が直接対応する「学校生活あんしんダイヤル」が5月9日に開設されました。

 

電話番号

045—663—1370

対象

横浜市立の小学校、中学校、義務教育学校、特別支援学校に通う児童生徒とその保護者

相談受付時間

火 ・ 水 ・ 木 ・ 金曜日 9:00~12:00、13:00~16:00     (年末年始、相談員の合同研修日等、相談をお休みする場合があります)

http://www.city.yokohama.jp/ne/news/press/201704/20170428-022-25331.html

 

 

その他の相談窓口

いじめ110番

24時間子供SOSダイヤル

区役所こども家庭支援相談

子どもの人権110番

ユーステレホンコーナー

0120-671-388

0120-0-78310

045-954-6160

(旭区窓口)

0120-007-110

0120-45-7867

365日

24時間

365日

24時間

月〜金

8:45〜17:00

月〜金

8:30〜17:15

月〜金

8:30〜17:15

横浜市教育委員会

文部科学省

横浜市各区役所

法務省・法務局

神奈川県警察

 

 

 

 

■  「すべては子どもたちの未来のために」

5月31日、横浜市の原発避難いじめ問題に関して、市長は生徒に会い、謝罪をしました。市長は面談後、記者団に「二度とこういう事がないよう、市を挙げて取り組む」と再発防止を徹底する考えを示しました。

横浜市教育委員会の一番重要な基本目標は、「すべては子どもたちの未来のために」となっています。この目標や、基本方針の改定が、「絵に書いた餅」となってはなりません。子どもたちの未来の為に、いじめ対策の問題・課題に取り組んで参ります。