横浜市の大規模団地再生モデル構築事業〜H29より旭区の大規模団地(若葉台、左近山、ひかりが丘)を対象として始動

●  大規模団地再生モデル構築事業の予算化(8,109千円)が決定

 

横浜市内には、築後30年以上が経過している大規模団地(500戸以上)が約60団地あります。昭和40〜50年代の高度成長期に開発されたこれらの団地では、急速な高齢化が進んでおり、医療・介護・生活支援のニーズの増大、地域活動の担い手の不足などの課題があります。これらの課題解決には、各団地の現状分析をもとに、全国の様々な再生事例の調査に加え、区と局がそれぞれハード・ソフトの両面から具体的なアイデアを持ち寄り、区局横断体制の中で、各団地にふさわしい再生ビジョンをとりまとめる必要があります。3つの大規模団地(若葉台、左近山、ひかりが丘)を抱える旭区において先行着手し、その検討結果を団地再生のモデルとして全市に展開して行くことになりました。

 

H29年度は、区局横断体制を築き、関係局と連携し、「旭区における団地の再生ビジョン策定に向けた調査検討(コンサル業者への委託)」を行う事が決まり、8,109千円の予算化がなされました。

 

 

●  大規模団地の課題

 

どんな事が大規模団地の課題となるでしょうか?様々な事が想定されますが、主なものを列記しました。

 

□  少子高齢化

□  医療・介護・生活支援のニーズ増大

□  孤立死

□  地域の担い手不足

□  廃校による空き校舎の発生

□  空き室・空き店舗の発生

□  建物の老朽化

□  非バリアフリー  など

 

 

●  団地再生事業の今後の流れ

 

H29年度には、以下のような調査検討を行います

□  団地再生事例の整理

□  地域ニーズに応じた再生モデルの検討

□  団地周辺の学校跡地をはじめとする公共施設活用の検討

□  地域との検討会の開催

などを実施し、「旭区における団地の再生ビジョン」を策定します。

 

そして、現況の予定では、H30年度以降、

□  旭区団地再生ビジョンに基づく具体的な取組み実施

□  旭区の再生メニューを抽出・整理し、全市版の再生ビジョンを策定

という流れになる予定です。

 

 

●  団地再生事業取組みの課題

 

団地の再生事例は、全国には多数存在します。先日Facebook・ブログで取り上げた「ホシノタニ団地」もその事例の1つです。

団地再生事業を進める上で、課題となるのは以下のような点です。

 

□  駅前・駅チカの団地再生事例は多数存在するが、駅から離れた場所の団地再生事例は少ない

□  団地の所有者が多様(若葉台/神奈川県公社、左近山/UR、ひかりが丘/市営&UR)。多様な所有者との調整をいかにして行うか。

□  大規模団地の中で、賃貸と分譲(個人所有)が混在している。

□  新たな取組みをする場合、住民や利害関係者の同意が得られるか。

□  既存の規制の問題(法律・条例など)。

□  若者や新たな住民を呼び込む仕掛けづくり

□  財源、事業の採算性、ソロバン勘定などお金に関する事

 

など、様々な課題が想定されます。しかし、様々な課題を乗り越え、新しい命が吹き込まれ、生まれ変わった団地が全国には多数存在しています。これらの事例をベンチマークし、全市の団地再生の見本となるような「尖ったプラン」が練り上がる事を期待しています。

旭区や横浜市の大型団地の未来を変えるプロジェクトの成功を期待するとともに、団地再生に関する情報発信・情報提供などは、継続して行って参ります!