複合化した未来の中学校!〜京都御池中学校はレストラン・保育園・高齢者施設が併設!

◆【視察】京都御池中学校(PFIによる複合施設)

7月6日に、京都御池中学校の複合施設整備事業を、常任委員会:こども青少年・教育委員会で視察しました。

京都御池中学校は、レストラン・保育園・高齢者施設が7階建ての建物内に複合化した「未来の中学校」です!

 

<施設概要>

2F〜7F:京都市立 京都御池中学校

1F〜2F:乳幼児保育所

1F      :老人デイサービス施設、賑わい施設(レストラン、カフェ他)

 

地下7階+地下1階

敷地面積8,000㎡(グラウンド2,700㎡)、総床面積20,000㎡

 

 

7階建て・複合施設の京都御池中学校

 

<整備手法>

◯PFI方式(63.2億円)採用により、▲26.9億円(VFM29.8%)の支出を削減した

◯施設整備費52.1億円の内、約36.5億円を15年間の分割払い

◯専門業者が24H常駐、各種定期維持管理業務を行っている(先生方の仕事の削減)

 

<御池中学校概要>

(5−4制の小中一貫校)

小学6年生:326名、7〜9年生(中学1〜3年生):735名

●  複合施設の特徴

◯学校統合(小学6年生含む)により大規模化(1,061名)した。

◯大規模化により、授業プログラムの多様化、問題行動減少などの効果があった。

◯子育て施設や老人施設と、中学校との交流がある。

◯1Fにはお洒落なイタリアンレストラン、カフェが出店している。

◯全国学力一となった御所南小などの影響で、マンション建設が進み、エリア人口は増加中。

◯生徒数増により、オフィススペース(6〜7F)は教室(学校施設)へ転換した。

 

 

●  複合施設化に至った経緯

京都市全体で昭和33年をピークに子どもの数が減少。小規模学校化が進む中、平成13年9月に14学区と5小学校PTAから、3中学校の統合要望書が提出された。滋野中(上京中)・柳池中(中京区)・城巽中(中京区)の3校が統合し、平成15年4月から京都御池中学校となる。

統合までの間、地元が「新中学校設立推進委員会」を設立。新しい中学校のあり方や新しい校舎施設について議論。以下のような地元提案が、PFI実施方針に反映されました。

 

◯ひとづくり、まちづくりの拠点施設とする

◯都市部活性化、御池シンボルロードのコンセプトに寄与する

◯将来の人口増や少人数教育に対応した施設とする

◯体験や交流等を通じた幅広い学習機会がある

 

 

◆  京都市の小中一貫教育

京都では明治2年から「番組小学校」(民間の住民自治組織単位・64の小学校)がつくられました。国による学校制度(明治5年〜)の3年前、日本で最初の学区制小学校です。「番組小学校」を運営していた「元学区」は独自の財源を持ち、教育経費を負担。現在も、京都独自の自治組織として機能しています。

京都では学校が公民館的機能を有しています。また、学校運営協議会(コミュニティ・スクール)が、小学校・支援学校で100%、中学校で74%設置され、小中合同の学校運営協議会も設置されています。

歴史的背景を含めて教育の自治運営意識が高く、すべての小中学校が小中一貫教育制度に移行しています。

 

施設一体型一貫校(4−3−2制)   4校

施設併用型一貫校(5−4制)      2校

連携型一貫校(6−3制)               64中学校ブロック

その他(不登校経験者の為の学校)      3校

 

 

 

●まとめ(横浜市の学校建替え事業)

横浜市では、平成29年5月に「横浜市立小・中学校施設の建替えに関する基本方針」を策定し、築70年を超える学校から建替えに着手する事になりました。基本方針では、学校施設の「機能改善」「学校統合」「公共施設等との複合化」を必ず検討する事とされています。

建替えは総事業費が1兆円を超えるとも言われており、非常に難しい事業です。

京都の複合化事例も参考にし、施設のリノベーション(事業費圧縮)や、断熱化による冷暖房フリー校舎など、様々な提案をしていきたいと思います。