「事業評価」制度こそ再評価すべき!〜横浜市の事業評価は、2,451の事業を、僅か2名でチェックする体制〜

●自己採点の「事業評価」は有効か?

限られた経営資源の中で、市民の信頼に応えながら必要な施策を推進する為には、事務事業の不断の見直し、徹底した市役所内部経費の削減や、事務の効率化・適正化への取り組みが必要です。

しかし、現在の横浜市の事務事業評価は、現場まかせで、現場の責任者の主観で評価する仕組みとなっています。これは受験生が自分の答案を、自分自身で採点するようなもので、お手盛りとなる懸念がぬぐえません。「事業評価」自体の再評価・再設計が必要です!

 

事業評価1本に絞り質問しました

 

 

●  横浜市の「事業評価」の課題

10月に行われた決算特別委員会の総務局・局別審査で、「事業評価」を中心に質問をし、課題について以下のように「大岩まさかず市政レポート 2016年11-12月号」にまとめています(HPに掲載済み)。

http://www.minnano-yokohama.com/blog/report/1183

 

2,451事業をわずか「2名」でチェックしている。

見直し事業数は、わずか4%である。

事業評価が主観的・定性的であり、現場任せである。

「事業見直し調書」がフォーマット化されていない(→当然公開もされていない)

事業評価過程がブラックボックス化し、議会でもチェックできない。

 

 

●  僅か2名で事業をチェックする体制

本市全体の3,010事業の内、総務局のしごと改革室が管轄するのは、一般会計分の2,415事業。特別会計及び企業会計分は企業局で取りまとめています。

決算特別委員会の質問で明らかになったのは、しごと改革室の職員は係長1名と職員1名の合計2名。これは、僅か2名の職員で2,451事業のチェックや見直しをしているという事です。

 

「事業評価」は、前年度行われた事業の適正な評価を行い、その評価結果を次年度の予算に反映させるという、大変重要な取り組みです。

横浜市の場合は、この重要な「事業評価」をまずは各現場で自己評価し、その1つ1つの中身のチェックは、僅か2名の体制で行っているのです。事業を評価する為には、2,451の事業の中身を広く・深く理解している事が必要ですが、1人あたり1,000以上の事業の割り当てで、それは可能でしょうか?

 

結果として、事業の見直しが行われたのは僅か4%(縮小67事業、休止・廃止30事業)であり、次年度の予算編成のベースとなる「事業評価」の体制として、疑問が残ります。

 

●  主観的・定性的、現場任せの「事業評価」

横浜市の事務事業評価は現場まかせで、評価方法が主観的すぎて第三者の視点による評価が殆どされていない事が問題です。又、評価の方法が属人的で、ばらつきが大きすぎる事から、改善すべきです。

現場任せで定性的すぎる評価の視点は、これを項目別に点数化するなどして定量化し、主観的評価から客観的評価に変え、評価のブレがでないようにすべきであると、他自治体の事例を示した上で提言しています。

 

 

●  「事業見直し調書」の公開が必要!

市政への信頼を頂く為にも、税金を納めて頂いている市民に対しては、徹底した情報公開によって市政運営の透明化を図る必要があります。しかし、現在の事業評価のプロセスは「ブラックボックス化」しており、議会でも評価過程をチェックできない仕組みとなっています。

 

ここで改革(改善)の肝となるのは、「事業見直し調書」の公開です!

 

「事業見直し調書」とは、2,451事業を遂行する各現場の職員と、2名のしごと改革室の職員がやり取りをする何らかの書類であり、この書類がヒアリングや事業評価のベースになります。しかし、この「事業評価見直し調書」が、統一フォーマット化していないという事実も明らかになっています。

 

毎年横浜市では、予算案の公表に合わせて「事業見直し一覧」を公表し、毎年100億円程の事業削減効果をアピールしています。しかし、これはあくまでも削減額の「結果」の公表であり、どうしてそうなったかの「評価過程」は示されておりません。

 

やましい事がないのであれば、「事業見直し調書」の統一フォーマット化を行い、フォーマット化した「事業見直し調書」を公開によって、評価過程の透明化を図るべきです。この点についても、予算編成プロセスをHPに全面公開している、鳥取県や大阪市の先行事例を示し、提言しています。

 

 

●  総務局長は改革に消極的

今回の局別審査で、横浜市の「事業評価」の課題を指摘し、僅か2名でチェックをする体制も含めて、事業評価手法の改善を提言しています。しかし、総務局長の答弁からは、改善意欲は感じられず、現状、この課題についての取組みは残念ながら消極的です。

 

又、大阪市や小牧市などで取組んでいる事業ユニット化による、「経営分析」の視点を入れた事業評価手法も提案しました。加えて、ここ10年程行われなくなった定期的な事業の一斉棚卸し(大掃除)も、必要であると主張しています。

 

 

「予算・決算の仕組み改革」が改革の本質

私は「予算・決算の仕組みの改革」が政治改革・行政改革・財政改革の本質だと考えています。今回はほんの少しの前進ですが、改革を諦めずに、同様の主張を繰り返して参ります!

 

すべての事業評価書(評価結果・PDF)がHP上で公開されています。改善課題は、

① 検索しやすい場所への公開

② 編集・分析しやすいデータの公開、です。